2010年5月28日金曜日

第77回日本ダービー

ヴィクトワールピサで間違いないでしょう。

この間の皐月賞のレース振りから、まだまだ成長過程で全能力を出し切ってないような感じです。
血統的なものをみても、ここで強い勝ち方ができるようなら確実に世界を狙える馬だといえるでしょうね(おまけは角居厩舎)。

ただ追いきりの様子を見ると皐月賞の2,3着馬ヒルノダムール、エイシンフラッシュも万全の仕上げをしてきたようですし簡単には勝たせてもらえないでしょう。
いずれにしても好レースが期待できそうで今から日曜日が待ち遠しいです。


 

2010年5月24日月曜日

ROCK DES CAMBES

 オーストラリアのイースターセール出身で日本へ輸出され、半年遅生まれのハンデを背負いながらデビューから4連勝、1番人気の菊花賞は3着、その後有馬記念で4着に入ったロックドゥカンブ。
今回はこのロックドゥカンブの日本から米国までの輸送を担当しました。
ニュージーランドのスタッドで種牡馬として来シーズンから種付けをすることになったのですが、未だに解けないオセアニア地区の日本馬に対する鎖国対策のため、アメリカという第三国へ渡り60日間滞在することで米国在住馬としてニュージーランドへ入国するわけです。
たとえば昨年シャトルで来豪したスタチューオブリバティーも同じ方法をとりました。
もちろんスタッド側にとっては米国を経由する分多大な費用が余分にかかるため、関係者の方のためにも早く日本馬に対する鎖国政策を解除してほしいと願うばかりです。

さて成田からロスアンジェルスまでの約9時間の空輸ですが、さすがに若駒時代に一度経験しているだけにロックドゥカンブはジェットストール(空輸用馬房)や貨物機への積み込み時、また飛行中もすごく慣れた様子で大人しくしていました。
ロスアンジェルス空港からハリウッドパーク競馬場の検疫所まで移動し体温や馬体のチェックを受けたあと馬房へ入れると、まったく初めての場所だというのに、すぐに一度寝返りをうち、水を飲んだり乾燥をむしゃむしゃと食べ始めました。
写真はそのときのものですが、見る限り馬体重の減りもほとんど無さそうでした。

このロックドゥカンブような馬を輸送してみると、若駒時代に一度空輸を経験するというのは、その後競走馬として海外遠征したり、種牡馬となってシャトルで海外へ渡る際にもその経験がすごく生きるということが実感できますね。



  

2010年5月19日水曜日

ディープ2世日本へ



今回はメルボルンから日本(成田)までイヤリング1頭の輸送を担当しました。
空港へ行き馬運車から降りてきた馬をみてビックリ。なんとディープインパクトの産駒だったのです。

日本でディープインパクトと交配された母親がその後オーストラリアへ輸出され、ハンターバレーのアローフィールドスタッドで生んだのがこの牡馬ということです。
なんやらややこしい話ではありますが、馬インフルエンザ発症後の日本に対するオーストラリアの鎖国が始まる前は、Nファームさんも多くの繁殖牝馬を輸出していましたからその中の一頭だったのでしょう。

はじめてみるディープ2世は、小柄ながらバネのありそうでバランスのとれた馬体、きりっと澄んだ瞳、大きな鼻孔、周囲の音に敏感に反応する耳、そして初めて来る場所(空港)だというのに落ち着き払ったその態度は、いかにも頭のよさそうな馬でついつい一目惚れしてしまいました。

輸送中も機内には一頭だけということでときおり嘶いていましたが、それ以外は香港経由の約16時間の輸送の間もおとなしくおりこうさんにしてくれていました。

今から日本でのデビューが待ち遠しいディープ2世でした。


 

2010年5月17日月曜日

シンガポール国際レース2010

まずはクリスフライヤーインターナショナルスプリント(国際G1)。

ドバイでのレース振りやシンガポールへ帰国後の好調を伝えられていたロケットマン(豪)、
今年のレースでは負けないだろうと私も思っていました。
実際ふたを開けてみると香港から参戦のグリーンバーディーに足元をすくわれまたもや2着。
ジョッキーのロビー・フラウドも調教師のパトリック・ショーも雨を含んだやわらかい馬場が原因だと、、、。

しかし香港のスプリント馬の層の厚さには驚きます。個人的にはハッピーゼロが唯一の相手だと思ってましたし圧巻です。
スプリンター(芝)の層の厚さはオーストラリアが世界で一番だとよく言われますが、そのオーストラリアが主な輸入先となっている香港の競走馬、特にスプリンターは近年の目に見張る活躍を観るともはや世界トップレベルと言えるでしょう。


レース結果およびリプレー
http://www.turfclub.com.sg/tabid/203/ctl/ResultDetail/mid/824/ItemId/750/r/9/Default.aspx


次にシンガポールエアラインズインターナショナルカップ(国際G1)。

混戦を予想していましたが期待通りの好レースになりました。
結果はリザーズディザイアがドバイでの屈辱を晴らしてグロリアデカンペオンを破り優勝。
調教師は今をときめくマイク・デコック(南ア)。

ただ、、、、直線リザーズデザイアのものすごい斜行。シーア騎手は鞭を持ち替える事もなく残り400mから右鞭を入れ続け3着に入ったアルシェマーリはゴール手前で思いっきり不利を受けていました。
プロテストが行われたどうかは分りませんが、他の国であればおそらくグロリアデカンペオンが1着、アルマシェーリ2着、そしてリザーズデザイアが降着3着となっていてもおかしくないでしょう。
シーア騎手は1週間騎乗停止処分を受けましたがこれも他の国の基準からすればすこし甘すぎるぐらいの裁定ですね。

日本勢はシャドーゲイトがゲートで暴れ直前に出走取り消し、雨でぬかるんだ馬場で力を発揮できなかったヤマニンキングリーが最下位といいところがありませんでした。
関係者の方もこれにめげずこれからも果敢に挑戦してほしいものです。

個人的には高岡調教師のジョリーズシンジュが直線半ばまで先頭を走り見せ場を見せてくれたのでうれしかったです。ジョッキーのロニーも「昔の彼女に戻ったようだ。」と最近の不調からの復活を感じていましたし、これからの国内での活躍に期待したいところです。

レース結果およびリプレー
http://www.turfclub.com.sg/tabid/203/ctl/ResultDetail/mid/824/ItemId/750/r/10/Default.aspx


  

2010年5月16日日曜日

オーストラリアのおへそ


先日マレーシアからメルボルンへ向かう途中の旅客機の中で映画を観ていると機長からのアナウンスが入りました。
機長によると左側の窓からあるものが見えるというのです。

そのあるものとは「オーストラリアのおへそ」とも言われます。そう「エアーズロック」です。
写真で見たことのある巨大な一枚岩であるエアーズロックは、台形のような形をしているんですけど真上から見るとこんな感じなんですよ。

ちなみに機内の右側からは「風の谷のナウシカ」の舞台にもなったことのある「マウントオルガ」が見えました。
昼間の時間帯の飛行機の窓からは意外なものがみえたりして、それも飛行機に乗る楽しみの一つですね。



  

2010年5月13日木曜日

貨物機を馬が占領?


今回はシドニーからマレーシアまでの輸送を担当しました。

エンデュランス競技用アラブが5頭、3歳の競走馬が1頭、ポロ競技用馬が3頭の計9頭の輸送でしたが、なんとマレーシア航空のB747貨物機には私たちのジェットストール(馬空輸専用)が3つ積まれただけでした。

シドニーからマレーシアへ向かう便は比較的かもつの積載量も少ないことが多いのですが、今回のようなケースは珍しく写真からも分るようにまさに「馬が貨物機1機を占領」した状態になってしまいました。
こんな状態では航空会社側にとってこの便に限っては当然赤字になるわけで、ただでさえ収益率の悪いといわれる航空輸送業界だけに心配になってしまいます。
最近の不景気の影響も受け貨物輸送から撤退していく航空会社が多いなかで、利用できる貨物便がさらに少なくなっていくのは馬を輸送する私たちにとっても大変好ましくないことです。

シドニー空港を夜9時に出発し、クアラルンプールへは明朝3時に到着しました。計8時間ちょっとの空輸になりますがフライト時間も短いので馬にとっても比較的負担の少ない輸送といえます。
今回も無事に全9頭がそれぞれの牧場、施設へと運ばれていきました。

2010年5月2日日曜日

第141回 天皇賞(春)

やりましたね、クレイグ ウィリアムス。
来日間もないうちに大きいところを獲りました。
地元オーストラリアでは昨年へイズ厩舎と決別があったりなど、最近いろいろ苦労もしていましたが
ここでそのうっぷんを少しは晴らしたんじゃないでしょうか?

レース中も落ちついて中盤にうまくつけていましたが、仕掛けどころ、またコーナーを回ってからの追い出しも完璧でしたね。
ジャガーメイルの実力を十分に出し切り完勝だったと思います。

でもオウケンブルースリ、ドリームジャーニーやウォッカなど超一流どころがいない中で
前走京都記念(G2)ブエナビスタの2着というのはフォームも際立っていましたね。
その後ブエナビスタはドバイシーマクラシックで僅差の2着ですから、、、、。

人気になったエアグルーブの仔フォゲッタブルは多少残念でしたね。
ここできっちり勝てればダンスインザダーク産駒だけにメルボルンカップも狙ってほしかったんですが。
まだ4歳だけにこれからに期待したい1頭ですね。

レース結果とリプレー
http://jra.jp/datafile/seiseki/g1/haruten/result/haruten2010.html