2010年12月15日水曜日
香港国際競走回顧 マレーシアから
再びマレーシアへ来ています。メルボルンから2頭の競走馬と3頭のエンデュランス競技用アラブを空輸しましたが、以前にもお伝えしたようにメルボルンークアラルンプール間の空路輸送はほんの8時間ほど、ジェットストール(馬用ストール)への積み込み、積み下ろし、また待ち時間を入れても12時間程度ということで馬にとっても負担の少ない楽な(?)移動のひとつです。(ちなみにシドニーからブリスベンまで馬運車を使った陸送は14時間ほどかかります)
写真は現地へ無事到着し、クアラルンプール空港そばにある検疫所まで移動するために馬運車へ乗り込むところです。もちろん馬によってはストレスを感じやすい馬もおり(競走馬に限らず)一概には言えませんが、これぐらいの空輸になると馬体重の減少や輸送熱の心配もほとんどありません。現地へ到着し、無事馬運車にそれぞれが乗り込んで去っていくと、私たちフラインググルームの仕事もそこで完結しやっと一息つける瞬間です。
さて日曜日に行われた香港国際競走ですが、今年度も海外からの多数頭の参戦があり現地では大変盛り上がったようでした。年々そのレースシリーズの存在感を高めており、世界の競馬産業従事者にとってその年最後のビックイベント(もちろん私たち日本人にとっては有馬記念がそうですが)のひとつとして注目されるようになってきました。
日本からもジャガーメイルとエーシンフォワードの2頭が参戦しましたが、両馬ともよく頑張ってくれました。優勝はなりませんでしたが年々海外からの参戦が増えているこのレースシリーズのレベルを考えれば5着までの入着を果たすだけでも大したものだと思います。こうした経験を積み重ねていくことで調教スタッフもノウハウを身に付け次の海外遠征にきっと生きてくることと思われます。関係者の皆様お疲れ様でした。
今年のこのレースシリーズの中で印象に残ったレースは、「スノーフェアリー」の勝った香港カップ(2000m)とシンガポールの「ロケットマン」がまたもや苦杯を喫した香港スプリント(1200m)です。馬群を縫うようにして後方から一気の追い込みを見せたスノーフェアリーの強さは本物ですね。英愛オークス、エリザベス女王杯、そして香港カップと優勝し今年度の最強牝馬の称号を貰ってもよいでしょう。ただジャパンカップで日本のブエナビスタとの対戦が叶わなかったのは残念です。
そしてロケットマンですがここ一番で勝ちきれないのはどうしてでしょう。ドバイシャヒーン、シンガポール国際スプリントそしてこの香港スプリントとすべて僅差で破れ、関係者もさぞかし悔しい思いをしていることでしょう。どうせのことなら来年はいっそ7Fもしくはマイルのレースに使ってみたらどうでしょう?父親はコックスプレート(約10F)であのノーザリーとサンラインに僅差で敗れたバイカウント(その父Quest For Fame)ですし、ストライドの大きな馬だけにもう少し距離を延長しても十分走りそうです。シンガポールで調教を一緒に見ていた時、高岡調教師も同じようなことをおっしゃっていました。シンガポールのファンそして競馬関係者のためにも来年こそはぜひ大きなところを勝ってほしいですね。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿