2010年8月21日土曜日

オーストラリアから米国へ


今回はメルボルンからロスアンジェルスまで12頭の輸送を担当しました。

メルボルンで4頭を積み込み夜中過ぎに出発し、3時間かけてまずはニュージーランドのオークランドへ行き、そこでさらに8頭を積み込んで、もう一人のニュージーランド人プログルーム、ブルースと二人で運びました。
オークランドで地上に2時間、そこからロスまでは12時間のフライトでオーストラリア出発から約18時間の空輸です。
この18時間ぐらいまでの空輸は馬にとって負担が比較的少ない輸送で、輸送熱を発症(輸送中も到着後も)する馬も珍しいといえます。

ところが現在私たちが豪国ー米国輸送に使っているカーゴラックス(ルクセンブルグのカーゴ会社)が、今月いっぱいで南半球周りの欧州ーシンガポールーメルボルンーオークランドーロスアンジェレスのルートを撤廃するということでこれがカーゴラックス社の747貨物機を使った米国向け輸出の最後の便になりました。

今後は米国への輸出をどうするのかと思っていると、今後はキャセイ(CX)を使ってなんと香港経由になるということで、予想される輸送時間の大きな延長が懸念されます。
ニュージーランドからは、シドニーに一度運んでからということで今の倍の輸送時間がかかることになるでしょう。
馬にとって20時間特に30時間を超すような空輸は大変負担も大きくなるもので、輸送熱、せん痛なども発症しやすく、時にはその症状の悪化で命を落とす馬も出てきます。

近頃の不景気を受けた各カーゴ会社の経費削減に伴う路線撤廃は、馬という生き物を運ぶ私たちにとって大変喜ばしくないニュースであり、これ以上今の貨物機の輸送ルートが少なくならないことを願うばかりです。


   

2010年8月8日日曜日

スタチューオブリバティー 前編



繁殖シーズン前の鬼のような忙しさですっかり更新が遅くなってしまいました。

さて今年の南半球シーズンもオーストラリアへシャトルで行くことになったイーストスタッドさんのStatue Of Liberty(スタチューオブリバティー)の輸送を昨年に続き担当しました。

先のロックドゥカンブと同様にまずは一度米国に渡ってからということで、成田まで約24時間、そこからロスの検疫所まで約13時間(10時間の空輸を含め)で計37時間の輸送になりましたが、昨年同様、陸送では共栄産業さん、空輸ではNCAさんにお世話になりました。
心強いサポートのおかげで無事ロスアンジェルスに到着しましたが、クールモア時代からシャトルを経験しているため馬自身も空輸にはずいぶん慣れた様子で、積込時また機内の中でもとても落ち着いていました。

ロスの検疫所に到着し簡単な馬体検査(USDAによる体温および識別検査)の後、馬房に入るなり寝返りをうち乾草、ふすまガユを食べ始めたのでそれをみた時は、私自身も長い輸送を経てほっと一息した瞬間でした。

米国からオーストラリアまでの輸送は8月下旬に予定されていますが、名前がスタチューオブリバティー(英語で自由の女神のこと)というだけあって何かとアメリカに縁がある馬なんですかね?